令和1年9月 添え状より

青い空、吹く風 流れる雲、すべてに秋の匂いが漂って、秋は気持ちがいいですね、皆さま如何お過ごしでしょうか。

今年の仲秋の名月は9月13日の金曜日。秋の月はとりわけ魅惑的です。昔、ふと空を仰ぐと煌々と照らす、とてつもなく大きな月— それはもう手に掴めそうなぐらい近くに、見たこともない巨大なサイズ感。不思議の国のアリスのように、小さいはずのものが大きく感じてしまう現象? 大きなオレンジ色の月でした。
たとえば幼い頃は、大人達がとてつもなく大きく見えたし、家の傍の学校までの道も、いざ自分が成長してみて気付くのは、大きな大人は身の回りのどこにも居ないし、故郷の道は実は狭かった、という事実。
私には今、もうすぐ二歳になる孫がいます。もう少し時が経って、人や物を認識するという力が強まれば、きっと彼にとって周りの世界はとても大きな物ばかりに感じるに違いありません。
月を見て、今でも心に刻み込んでいるように、私も彼にとって心にいつまでも残るような大きな大人になりたいと願います。こっそり、誰かの忘れられない光景の一部として、心に残っているような人になれたら、どんなに素敵なことかしら。空が澄みわたり、月が美しく見える季節は何やら道を説く中国の詩人の心境です。

秋は行事が目白押しです。そのトップをきって今週の金曜日13日は、盛岡
市の無形民俗文化財に指定されている「盛岡八幡宮例大祭の山車・の組」が加
賀野の森に、音頭上げに来てくれます。「の組」の今年の演題は、釣鐘の景清
(つりがねのかねきよ)。見返しは八幡太郎義家です。13日は森グループに声
をかけましたので、加賀野の森に集結してお祭りの山車巡行をたっぷりお楽し
み下さい。
盛岡秋祭りの本番は、14日から。八幡下りで見せる各組200名超の山車行列は圧巻で、すべての山車が連動して動くのは14日午後1時(八幡下り)と15日午後6時(大絵巻パレード)。その他、祭典期間中は朝9時から夕方6時過ぎまで山車の自由運行が市内一円で行われます。見に行きたいですね。

このお祭りが過ぎますと、次の週は敬老週間。「機能訓練センター」など各デイサービスを中心に、16日から素敵なイベントをどこも企画し、趣向を凝らしたスケジュール満載です。今年も皆さまに日頃の感謝を込めて、プレゼントをご用意させていただきました。
それが終わると、野山の彩りに合わせて、紅葉ドライブがスタートします。今年の目玉は、“「いこいの村」に味覚が舞う!”・・悪霊退散の念仏踊り『鬼剣舞』を舞う20名ほどが、いこいの村にやってきます。踊りと食を組み合わせた凄い企画をお楽しみに!

ここに九月の請求書を同封いたします。10月からの消費税10%導入による、一部の価格改定のお知らせは別便で発送いたしますので、宜しくお願いいたします。
このお手紙を書いているのが、菊の節句とも呼ばれる「重陽(ちょうよう)の節句の日」(不老長寿を願う日)です。皆さまのご長寿を願っております。

2019年9月9日    総施設長 神原美智子