令和1年6月 添え状より

さわやかな空気、自然界のスクリーンの緑色の織り成す世界の美しさ。若葉色、草色、萌黄(もえぎ)色(黄緑)、青磁(せいじ)色、柚(ゆず)葉(は)色(濃く暗い緑色)、鴬(うぐいす)色、常盤(ときわ)色(常緑樹、やや茶がかった緑)、竹色・・・。草木の緑がまぶしく輝く夏になりました。

皆さまは、いかがお過ごしでしょうか。

 

私は中学時代、あだ名が「マメ」と言われていました。40年たった今でも何人かの友人に「マメ」と呼ばれています。このあだ名がついたのは、小学校は給食でしたが、中学校はお弁当で、おかずに豆料理がとても多かったことに由来します。豆が大好きな私のために、母は見た目もきれいな緑色の豆入りの卵焼き、大豆のケチャップ煮、とら豆の含め煮、家では豆入りスープもよく作ってくれました。とくに初夏は、ほっくりと香りのよい『豆ご飯』。1週間位続けてお弁当に持って行ったこともありました。

先日も、母のように美味しい豆ご飯を炊きたくて、米3合にスナップエンドウ150g位をいれて塩ひとつまみ、お酒少々で炊いてみました。絹サヤより甘味も加わって昭和の味は出せましたが、香り・味、かつて感動した母の味は、うまくだせません。豆は先にいれて炊くと少し色が変わってしまうので、茹でて後から入れる方法もありますが、私は最初から入れる派です。ダシ代わりに昆布茶を少しいれても、とても美味しい。緑の豆の代わりに、ささげやレンズ豆、また古代米などで炊くと、赤飯になります。(この辺りは、皆さまの方が詳しいような気がします。)

 

ところで夏の暮らしの歳時記といえば、『衣かえ』や『虫干し』ですね。お天気の良い日に風の通る障子をみんな開け放ち、樟脳(しょうのう)の匂いがしみ込んだ沢山の着物や役所勤めの父の背広ばかりか、家の書物や調度品なども一斉に干す・・。小さい頃にはこんなこともあったような気がするのですが、皆さまは如何でしょうか。

私たちの祖先は、生活をいつくしみ、細やかに季節ごとの行事を行ってきた。その心を大切に、現代は現代のマナーで生活のリズムを大切にしたいものだと思います。

 

さて6月の請求書を同封します。何かありましたらお気軽にお問合わせください。今年の暑さは今月中旬まで暑くて、その後は平年並みと予想されていますが、さてどうでしょうか。これから蒸し暑い日が続きますので、お身体ご自愛下さい。

 

2019年6月10日 総施設長 神原美智子